2011年04月29日

防音材の選定

 業者が失敗したGL騒音の防音対策については、後日投稿します。

 その前に、同様にGL壁からの騒音に悩まれているかたの参考に、防音材について簡単に触れておきます。

 GL工法は、モルタルのように固化したGL団子と石膏ボードの隙間の空気層で音が共振すること、コンクリート躯体を伝播する固体音がGL団子・ボードを介して室内に伝播することで、騒音が目立つことになります。

 一番効果的なのは、GLを撤去して、壁を防振・遮音構造に再構築することですが、予算などの制約で、これができない場合は、防音材を重ねて施工する簡易防音対策しかありません。

 この場合、最も重要なのが防音材の選定です。これを誤ると、まったく効果が出ません。以下に、効果的な防音素材と、使っても意味のない素材を箇条書きにしますので、参考にしていただければ幸いです。

◇GL防音に効果的なマット状防音材
 *柔軟性のある防振ゴムマット・樹脂
 *ブチルゴムシート
 *アスファルト、フェルト

◇殆ど効果のない防音材
 *厚さ1.2ミリ程度の遮音シート
 *鉛シートなど金属の防音素材
posted by 防音職人 at 08:06| Comment(0) | 壁防音(GL・戸境) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月22日

天井防音の回想録02

 天井防音の回想録01の続きです。

 前回書きました天井の防音工事の分析ですが、外注した専門業者(2社)が失敗した共通点は、吸音材と制振材を軽視したことです。

 自社の製品を使用すること以外に、殆ど留意せずに、性能の良い防音材を検討しようとしなかったのです。鉛のボードとグラスウール、遮音シート以外に検討しないで見切り発車したことが、すでに問題だったのです。

 現在の私の防音設計では当たり前ですが、天井裏など空洞部分に吸音素材を充填することは最低条件であり、これに下地の振れ止め・パッキン、制振材などの組み合わせが重要です。


 マンションの防音は、大半が生活騒音の軽減が目的です。躯体や設備配管を共有する集合住宅では、そもそも完全な防音など無理です。
 大事なのは、余り空間を狭くしないで、費用対効果の高い対策を行うことです。

 既製品だけに依存する専門業者は、現在も同様で、多くが遮音材のみにシフトした偏った内容です。これでは、例えばGL壁に対しては、殆ど効果が出ないと思います。

 ちなみに、グラスウールは効果がないわけではありません。吸音用の製品もあるのですが、具体的に相応しい製品を使用しないと効果がないのです。低音の吸音率が低いというハンディがありますので、単独使用はお奨めできません。

 上記の対策を失敗した業者には、GL壁の工事も依頼したのですが、だめでした。
(次回は、現在のマンションでも問題となっているGL工法の壁・梁の防音工事の回想です)
posted by 防音職人 at 15:36| Comment(0) | 天井防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月15日

天井防音の回想録01

 生活騒音の忘備録の続きです。

 前回までの回想録で、上階からの騒音が酷く、状況を分析するため、設計図面などをチェックすることを考えたというお話をしました。

 もちろん、当時の管理会社にも相談をして設計担当者を呼んでもらいましたが、管理会社フロントマンも設計者も「原因が分からない」と言いました。
*管理会社は当時、売主業者の子会社だったので誤魔化しているのかとも思いましたが、本当に無知のようでした。

 しかし、設計を担当して竣工図を作成した設計担当者が、分からないと言うのには驚きました。いったい何を考えて建築設計を本業でやっているのか、設計マニュアルと言うものを全く読んだ事がないのかと、呆れて物が言えませんでした。

 私は間違いなく天井の内装構造が大きな問題であると指摘したのですが、後にもう一つ重大な問題があることに気づきました。

 それは、電気・TV配線の一部がコンクリートスラブ埋め込み用のCD管によって、居室のスラブを対角線上に延びていることだったのです。その埋め込み配管の分だけ、コンクリートが打設されていない訳ですから、遮音欠損がかなり生じています。
*躯体の通常の遮音性能D-50どころか、D-40さえも確保できない箇所があったのです。

 これにGL工法の梁・柱・壁、天井の下地が直付けであることが総合的に遮音性能を低下させていることは明らかでした。
*後に対策補修を行うように管理会社を通じて売主業者に要求しましたが拒否されたため、子会社の管理会社をくびにしました。(管理組合の総会で)

 結局、居住者は自己負担を嫌がり、誰一人自己負担で防音工事を行う世帯はありませんでした。このため、私一人が天井の防音工事を専門業者に外注しました。

 しかし、2社とも失敗しました。そのうちの1社の東邦亜鉛ソフトカーム事業部は鉛ボードの遮音パネルで対策を行うことを提案してきて、「絶対に効果は出ます」と言うので任せて見ました。
 結果は、防音効果が全く体感できないという失敗でした。しかも、何の責任も取らず、謝罪もなく、この業者は逃げました。他のもう1社も失敗しましたが、こちらは謝罪はしました。でも対策はないと言いました。

 このあと、私の自力による研究と防音工事などの対策が始まったのです。
(失敗した天井防音の分析は次回に続きます)
posted by 防音職人 at 10:14| Comment(0) | 天井防音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月11日

マンション生活騒音の忘備録02

 近年の分譲マンションにおける居住者間のトラブルのベスト5には、「生活音」、「ペット飼育」、「共用部分への私物放置」などが入ります。

 私が入居した16年前も同様でしたが、自宅マンションは、これにゴミ集積所のマナー違反が目立ちました。入居者のマナー違反は、生活騒音の顕在化に大きく関係しています。早朝や夜間の騒音は、居住者の常識や配慮の無さが原因です。

 自宅マンションでは、構造的な遮音性能の欠陥に加えて、管理会社(現在は変更して、特段の問題はありません)のいい加減な業務態度があり、最悪の状況でした。

 私は、まず建物の設計に問題があると判断して、竣工図と施工図を詳細に検討しました。その結果、主に次のような構造が原因であることが分かりました。

◇天井構造
*二重天井とは名ばかりで、下地が天井スラブに直付けだったため、衝撃音・振動音が直接響く構造でした。

◇一部の戸境壁
*当時、建設省も通達などで界壁にはGL工法を使用しないように注意していましたが、設計者が全く認識していなく、戸境の一部にGL工法を使っていたため、余計に上下階の騒音が伝播していたのです。

 売主業者と建築士の無知が招いた構造的な防音上の欠陥があったのです。
*現在のマンションでも、同様な問題が見られます。
*マンションを設計する建築士などの見識の無さ、勉強不足が背景にあります。

 次の記事では、自宅における防音工事についてお話しする予定です。
天井防音の体験(天井・GL防音へ続く)
posted by 防音職人 at 12:17| Comment(0) | 生活騒音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月04日

マンション生活騒音の忘備録

 まず、事実関係を思い出しながら、少しずつ記していきます。

 マンションを購入したのは、阪神淡路大震災が起こった年ですから平成7年(1995年)のことです。その年の5月に自宅マンションは竣工しました。(約16年経過)

 入居して半年ぐらいが経った頃、当該マンションは全世帯の入居が完了して騒がしくなりました。そして、上階や壁からの生活騒音が筒抜けであることに、建築関係の業務をしている技術者として驚くことになりました。

 このため、問題を調査するため、私自身も防音対策や防音設計について初めて勉強することになったのです。GL防音の知識も、当時はありませんでした。

 自宅マンションの主な生活騒音は、二重天井およびGL壁(梁・柱型を含む)を介して大半が伝播していました。
 マンションを始めとする住宅の生活騒音との闘いが始まったのでした。
*RC構造、6階建ての分譲マンション
(マンション生活騒音の忘備録02に続きます)
posted by 防音職人 at 20:24| Comment(0) | 生活騒音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする